こんにちは。ガイアックスのあずさです。このエントリは、Gaiax Advent Calendarの21日目です。
ガイアックスでは、Perl, PHP, Ruby, iOS, Androidなどさまざまな技術を取り扱っていますが、特に黎明期の技術への取り組みとして ブロックチェーン と呼ばれる技術に取り組んでいます。
ブロックチェーンといえば、ビットコインの技術だろう?と思われるかもしれません。かつてビットコインは中央集権ではない新しい通貨として注目を集めましたが、近年はブロックチェーンと呼ばれるコンセンサスアルゴリズムの方に注目が集まっています。P2Pネットワークでつながっている複数のノード間で、どのブロック(トランザクションを集めたもの)が有効かという合意を取るというものです。
ガイアックスのエンジニアは、これまでに、サンフランシスコで行われた Blockchain University や、Ethererumのカンファレンスへ参加し、Blockchainについて学んできました。今回は、去る12月19日、Blockchain Universityとガイアックスの主催で行われた、 Blockchain Summit というイベントのイベントレポートをお送りします!
Blockchain Summit
イベントは2日間にわたって行われました。12月18日のビジネスセッションでは、金融系はもちろん、メーカー系、インターネット系など様々な分野から、合計200名以上の方々に集まっていただきました。登壇者からは、ブロックチェーンの概要からベンチャーへの投資状況、実際のスタートアップの事業内容まで、幅広い内容のお話がありました。シリコンバレーからの情報だけではなく、日本の地理特性を活かしていかに世界と戦っていくかといったような議論がなされました。
12月19日のディベロッパーセッションでは、ブロックチェーンユニバーシティ プレジデントのロバート シュベンカー氏、Datt ファウンダーのライアン チャールズ氏、R3CEV 主任研究員のティム スワンソン氏を迎え、40名の参加者がブロックチェーン技術にディープダイブするというイベントを行いました。
参加者の半数は初めてブロックチェーンに触れるということで、まず最初に BreadWallet を使ってビットコインの送金、受取を行いました。
ウォレットを作るために複数の単語(ネモニックと呼ぶ)を入力する、QRコードを使って受信者のアドレスを読み取り送金する、マイニングが確定されるまで待つなど、エンドユーザとしてビットコインをどのように使うのかを体験しました。
ビットコインの送受信体験はロバートさんたっての希望で作られました。彼曰く、ビットコインには比喩表現が多く、それゆえに誤解されることも多いそうです。例えば、ウォレットは財布ではなく正しくは秘密鍵と公開鍵のペア、マイニングは発掘ではなく妥当性の証明、などです。実際に体験することで、それらの裏側にある技術要素は何かということを意識することができたように思います。
ロバートさんのセッションでは、ブロックチェーンとは何か、またブロックチェーンが社会に与える影響についてのお話がありました。さらにシリコンバレーの最新の技術トレンドや、投資が集中しているスタートアップについての言及もありました。このような情報はなかなか日本では手に入りづらく、参加者の方もたくさんメモをとっておられました。
続くライアンさんのセッションでは、ブロックチェーンの最初の実装であるビットコインを例にとり、ブロックの中身、トランザクションの中身についてバイトまで分解して理解するというものでした。後半ではNodeを使ったハンズオンも行われました。ライアンさんが作られたfullnode というライブラリを使い、トランザクションの中身の分解やProof of Hashを体験するなどを行いました。
ランチや懇親会では、講師陣が実際に参加者の机に座ってコミュニケーションを取り、活発に議論が行われていました。
まとめ
今回のブロックチェーンサミットでは、さまざまな業界から非常に多くの方に集まっていただき、盛況のうちに幕を閉じました。ブロックチェーンはペイメント技術というニッチな分野ではありますが、オンライン上の取引、シェアリングエコノミーの取引の裏にブロックチェーン技術があるという意味で、ガイアックスにおいて重要な技術のうちのひとつだと捉えています。今後もイベントや情報発信などを積極的に行い、日本のブロックチェーン技術者の交流を深めていきたいと考えています。