Gaiax Engineers' Blog

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経産省主催ブロックチェーンハッカソンのピッチイベントに参加してきました

Gaiax Engineers’ Blogの読者の皆さん、はじめまして。2019年3月よりインターンとして、ブロックチェーンのエンジニアをしている荒巻です。

最近Twitter始めたのでよければフォローよろしくお願いします。(Yosuke Aramaki (@AramakiYosuke) | Twitter

ガイアックスでは、2015年からシェアエコにおけるブロックチェーンについて取り組んでおり、Blockchain Bizでの情報発信や、日本ブロックチェーン協会(JBA)における活動などを行ってきました。

そして、5/16(金)に、お金を使わずに応援を贈れるサービスcheerforの発表しました!!

cheer-for.com

また、ブロックチェーンに対する取り組みの一環として、経産省主催ブロックチェーンハッカソンの優秀賞を獲得したチームのみで行われるピッチイベントに参加してきたので、そのことに関連してブログを書かせていただきます。

・目次

1. ハッカソンに関して

2. リクルート R&Dの取り組み

3. 優秀賞チームのピッチ

4. 参加してみての感想

1. ハッカソンに関して

まずハッカソン自体に関して、どのようなハッカソンであったかから説明していきたいと思います。 今回のハッカソンは主催:経済産業省大学連携推進室、協賛:Recuruit R&Dで2/9,16,17の3日間、LIFULL Labにておこなわれました。 参加者は100名ほどで20チームほどでした。

開催された主な目的は、 ブロックチェーンを使ったユースケースの開拓」 だと感じました。

ビットコインで騒がれるようになったブロックチェーンは、既存の様々な産業に転用できると考えられており、経産省ブロックチェーン技術の社会に与えるインパクトはかなり大きいと推測しています。

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ですが、実際のユースケースは少なく、技術としても未発達です。そこで、国を挙げてもっとブロックチェーン界隈を盛り上げようとしています。ハッカソン経産省の大学連携推進室の主催でしたので、ブロックチェーン技術の大学等への応用可能性の高いと考えられている下記の2つがテーマとして設定されました。

・学位、履修、職歴証明

技術革命を背景に、産業構造が大きく変化し、それに伴い副業や転職、兼業などの多様な働き方が普及していること、少子高齢化を背景に学校間の統合・連携、廃校などが加速していることなどにより従来の仕組みでは個人の学位・経歴の信憑性の担保が難しくなっています。この問題にブロックチェーンの技術が活かせるのではないかと理由でテーマとして選ばれました。

海外の事例としては、キプロスのUniversity of Nicosiaではブロックチェーン技術基盤のAcademic Certificateを発行したり、イギリスのOpen Universityでは、ブロックチェーンで発行されるトークンでコースの終了を証明できたりとブロックチェーン技術を用いた学位・履修・職歴証明のユースケースは増えてきています。

・研究データ管理

研究データの改竄は大学、企業ともに大きな問題にもなってきています。文科省の公表によると大学の研究データの不正件数は平成27年度が9件、平成28年度が9件、平成29年度が16件と増加傾向にあります。また、マツダやスズキの燃費・排ガス検査の改竄など企業による目立ってきています。 このような背景によりテーマとして選ばれました。

海外の事例としては、研究データの分散管理に取り組んでいるドイツのData Management Hubや、研究成果のレビューのプロセスを効率化することに取り組んでいるイギリスのBlockchain for Blockchain for Peer Reviewなどがあります。

2.リクルート R&Dの取り組み

このイベント自体は、協賛していたリクルートR&Dのブロックチェーンへの取り組みに関する紹介から始まりました。

ブロックチェーン技術の潜在的インパクトに関して8つ項目に注力して投資しているそうです。

・Trustress Economy

・Political Facilitator

・Borderless Economy

・Evolution of cryptocurrency with the technological development

・Privacy technology

・Tokenized asset

・Regulated ICO

・Decentralized ID

8つの視点それぞれの具体的な取り組みに関しては説明はなく紹介程度でした。

これら8つは今後のブロックチェーンの動向のキーワードになりそうです。

3.優秀賞チームのピッチ

・OVP(Open Verfiable Platform)

1番手のピッチは自分たちのチームで、資格、学習履歴の公的・準公的認証を実現をするオープンな資格・履歴証明プラットフォームを提案しました。 資格や学習履歴の証明だけでなく、このプラットフォーム上で新しい資格を作り出していくために資格自体の評判(レピュテーション)が必要だと考え、Ethereumコミュニティーにも提案しました。

(https://github.com/ethereum/EIPs/issues/1757)

ハッカソン中にコミュニティーの提案まで行なったことが評価されたようです。

ブロックチェーンのサービスには、それぞれのサービスにあった「信頼」構築システムが重要になると感じました。

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・ソラマメ

人の手が介在するか限り研究データの改竄は防ぐことができないと考え、研究データの収集をドローンで行うことを提案していました。ドローンを使うことで人がいけない危険なところでの調査が可能になるなど改竄防止以外のメリットもあり、ソフトの面だけでなく、ハードの面まで提案できていたので評価されていました。

ブロックチェーンではチェーン状にある情報の存在していることは証明できるのですが、チェーンに書き込む際にその情報が正しいものかを証明することは難しいです。チェーンへの書き込みの改ざん防止のためにドローンを使うことは面白いと感じました。

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・EGATEAM

臨床研究の研究データの改竄問題に関して、データ自体の改竄対策はすでに行われているので、そのデータの解析に注目して、研究データ解析のアウトソースプラットフォームを提案していました。

フローとしては、

1.オーナーが問題を定義(生データを標準化する)し

2.各ユーザーが回答のハッシュ値と回答のシークレットキーを発行し、

3.集まった回答から多数決をして一番多かった回答が正解となり、

4..正解者に報酬の分配され、

5.オーナーに回答+シークレットキーが渡される

という流れです。

研究データは膨大ではありますが、しっかり臨床研究と的を絞って提案できていたところが評価されていました。

専門知識にドンピシャでブロックチェーンの優位点を当てていました。今後、このように自分の専門知識にブロックチェーンの優位性を掛け合わせたサービスがたくさん出てきそうですね。

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・Digit

Blockbase(https://block-base.co/)とデジタルハリウッド大学院のジョイントチームで、「公開鍵がアイデンティティとなるような世界を作る」ためのプロダクトを提案してました。ハッカソンでは、特に学生の学位とポートフォリオの証明に焦点を当てて開発してました。

開発したプロダクトのフローとしては

  1. ERC725を利用して、学生自身のアイデンティティーをデプロイする

  2. 大学側は、証明書等を暗号化しERC735を用いて管理する。暗号化の際は、学生の公開鍵を利用する

  3. 証明書等はipfs上に保管する

  4. 学生が好きな時に、自身の秘密鍵を用いて情報を開示できる。

完成度高く実装されていたところが評価されていました。

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4.参加してみての感想

ブロックチェーンについて、魔法の言葉のように必ず言われることが

ブロックチェーンである必要はあるのか」です。

ピッチへの質問でも多く出ていたのですが、ブロックチェーンである必要を明確に答えられていたチームは少なかったです。自分もチームの提案したものに、ブロックチェーンである必要があるのか、と聞かれたら答えきれないかもしれません。

ですが、少し強引な考え方かもしれませんがブロックチェーンが必要かどうかはもう少し先送りしてもいいのかな、と感じました。

ブロックチェーン技術は注目が集まってきていますが、まだまだ発達途中の技術です。様々なユースケースが出てきて、技術が発達し、ブロックチェーンが多くの人々に認知されてから、必要であるか判断してもいいのではないかと思います。

これからも様々なプロトタイプが世の中に出していって、ブロックチェーンの潜在能力を模索していきたいと感じました。