Gaiax Engineers' Blog

Gaiaxのエンジニアブログです。 社内の様子をありのままに発信していきます。

副業をテーマにしたエンジニア交流会を開催しました(後半) #副業エンジニア

前回の内容に引き続き、後半は実際に副業をされている方々とのパネルディスカッションを開きましたので、その内容をレポートしたいと思います。

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パネル・ディスカッションに限らず、今回の交流会で印象的だったのは、お金を目的に働いている人が少ないこと。目先のお金よりも、今後のキャリアや知的欲求に従って動く方が幸せだと感じている人が多い事でした。ディスカッションの内容を書き起こしましたので、副業を考えていらっしゃる方の参考になればと思います。

パネラー

  • freee 株式会社 SRE エンジニア 坂井学
  • シーサー株式会社 ソフトウェアエンジニア 武藤尚氏
  • 株式会社エンファクトリー en Factory LAB ユニット長 兼 情シス/インフラマネジャー 石井啓介氏
  • 株式会社ガイアックス デジタルコミュニケーション事業部 高野竜二氏

司会



-- 現在、副業解禁というのが世の中的に割と重要な段階にあると思っていまして、 ちょっと前の話になるんですが、CodeIQというサービスが出てきたときに、「こういうのを早い段階で取り入れないとエンジニアの獲得競争に置いていかれるな」と思ったんですね。
先程「副業を解禁することで正のスパイラルが回る」というLTを聞いて、そのとき抱いた感覚を思い出したんです。 企業をマネジメントする立場として、これは積極的に取り入れないとマズイな、と思いました。
今回は、副業の実態について、実際に副業されている方々をお呼びし、ざっくばらんに話し合って頂こうと思います。 まず、自己紹介をお願いできますでしょうか?

坂井:freeeでSREエンジニアをしている坂井と申します。 元々はデザイナー出身で、それからエンジニアになりました。直近はAWSを得意としてます。 2017年の1月に個人事業主として開業して、事業主のキャリアはまだ1年ちょっとです。 現在3社と契約しており、技術支援を行なっております。
割と好奇心旺盛な性格でして、全くエンジニアと関係無いのですが、ファイナンシャルプランナーの資格も持っており、今年からそちらの仕事もしております。

武藤:武藤と申します。現在21歳なのですが、高専在学中に今在籍しているシーサー株式会社にインターンに入って今に至ります。今年から通信制の大学に入学予定です。 本業はエンジニアをしております。基本的にサーバーサイドなのですが、インフラやフロントも行います。 副業は専門学校でサービス開発の授業講師をしております。

石井:株式会社エンファクトリーの石井と申します。経歴としては、コンシューマー向けのフィルタリングソフトを開発しまして、その後別会社で決算基盤の開発を行ない、現在は人材理念として専業禁止を掲げているエンファクトリーに努めています。現在はシステム受託開発の責任者をしております。
次にパラレルキャリアの説明をしますと、2008年頃に「社会福祉法人さぽうと21」というところで難民支援のボランティアを始めました。
週に1回程度で難民の方にPCを教えたり、日本語を教えるなどを4年くらいしておりました。
最初務めた会社を辞めたあと、フィリピンの孤児院のようなところで暫く働いて、そこで出会った人と2017年ごろにダバオで企業しました。そこでは日英翻訳などをして、2012年ごろからITのエンジニアを採用し始めて、翻訳のシステムを内製化したり、ラボ型の開発やオフショア提供などをしております。

高野:ガイアックスの高野と申します。
現在は、受託開発がメインのチームのリーダーをしており、他のエンジニアのフォローや、プロジェクトのマネジメントをしたりしております。IT業界はもう20年近くやっておりまして、子供も大きくなりまして、現在フロントエンドに興味を持ち始めています(笑)。
副業についてお話しますと、ガイアックス入社前に起業していたのですが、その時のお客様とまだ付き合いがありまして、色々と相談いただく事が多いです。開発やホスティングなどをたまにしたりしています。

-- ありがとうございます。みなさんそれぞれが本業というものを持たれていらっしゃるのですが、「副業にかける思い」みたいなのを簡単に教えてもらえますでしょうか?

坂井:副業を始めた理由なのですが、本業であるfreee株式会社はスモールビジネスの方を応援するプロダクトを多く手がけているんですね。
けれども、ずっと自分自身が顧客側に立って使った事がない事に危機感を持っていたんです。「自分が作っている物は本当に世の中に提供できるだけの価値があるのか?」と。 それで「もう自分で開業しちゃえ!」と思ったんですね。
開業して、自分でプロダクト使ってみて、その価値を知りたくて事業する側になったという経緯ですね。
なので、何かを成し遂げたいとか崇高な目標があるわけでは無くて、「本業に活かせれば」とか「年間数万円くらい売上があれば」ぐらいの思いでやっています。

武藤:私の場合は専門学校で講師をしてらっしゃる方に飲みの席で誘われて今に至ります(笑)
人に物を教える事によって自分自身の知識も深まっていくと考えているので、本業との相乗効果を副業に期待しています。
副業の事を社長に相談したら「有望な生徒が居たらスカウトして来い」と冗談を言われましたが(笑)

石井:私の場合は「フィリピンのダバオで起業って面白そうだな」という好奇心と、誘ってくれたメンバーが尊敬できて、一緒に仕事をしてみたいと思った事が一番大きかったと思います。
3人で始めたのですが、当時勤めていた会社は副業禁止だったので最初の2年は無報酬でした。
本業もあったし、普通に生活出来ていたので、特に困る事は無かったです。
それよりも、本業とは別のことをできるのが面白くて、それをモチベーションにしていましたね。
ずっと技術をメインでやってきていたので、経営や会計などの違う領域に携われる事が面白かったですし、その経験が今の会社でも役に立っている事があると思います。
現在の会社は完全に副業が解禁されているので、現在は報酬をもらうようにしています。

高野:私の場合はクラウドソーシングなどを使う事は無くて、昔からの付き合いがあるお客さんの紹介メインですね。
また、地元密着型の小さい企業など「ITにあまり詳しくないけれども導入したい」というお客さんが多いので、ツールの導入や開発の相談に乗ったり、別の開発会社とのコミュニケーションを手伝ったりなどをしています。全く別業界の領域に入り込むので大変刺激的になりますし、モチベーションにも繋がってます。(「儲かります?」という質問に)いえいえ、ほぼボランティアに近いかもしれません(笑)

-- 副業をやってきた中で「やってて良かった!」もしくは、「やらなきゃ良かった!」と思った経験はありますか?

坂井:本業で出来ない事だったり、使いたいけど機会が無かった技術などを使用できる点ですね。
もちろん無理矢理に新技術を導入するような事はしませんし、しっかりと説明して了承を頂いている前提ですが(笑)
その経験が本業で活かせたり、その技術がより相応しい状況を把握できるようになったメリットはありますね。
最近あった話なのですが、1年くらい前に試した技術が社内で必要になりまして、
識者として手を挙げる事ができたのは、副業を通して技術者としての引き出しの数が増えたからだと思っています。

-- みなさん本業をされている上で副業をされているとの事ですが、本業と副業の比率をどのくらいでやっているか教えていただきたいです。

石井:私の場合は正社員なので、基本的にフルコミットという立場で働いています。
しかし会社が「就業中の副業OK」なので、シームレスで仕事ができるんですね(会場からどよめき)。
なので、仕事中にフィリピン拠点とずっとチャットしてる場合もあって(笑)、フルコミットと言いながらも結構本業に食い込んできていますね。
基本は定時で帰るんですが、会社の仕事が残っていれば残業する場合もあります。
チャット程度ですので、平日は1日1時間程度ぐらいですかね。あとは土日数時間でやっています。

高野:副業でお付き合いのあるお客様は、平日であればメールなどが来ても、基本的にはやりとりしません。
急ぎの用事であれば、夜に話を聞きに行ったり、土日に対応したりします。ボリュームでいえば、週4~5時間程度ですね。

坂井:私も本業はフルコミットで、個人では現在3社と契約しているのですが、週でいえば5~6時間くらいだと思います。
朝早く起きて対応したり、土曜日の午前中などに家族に断りを入れて仕事するパターンですね。
ただ、技術支援や技術顧問という立場で関わっている以上、自分のスキルを磨いたり、勉強する時間も必要なので、それらも合算するとよく分からなくなります(笑)。本業でも勉強が必要ですし・・・と考えると起きてる時間全てかも(笑)。

-- 本業と副業がミックスされている感じですね。そのさじ加減が難しいところだと思います。
会場の方へ質問なのですが、本業の時間に食い込む余裕なんて無い、という方はどれくらい居らっしゃいますか?

会場:パラパラと手が挙がる

-- おお、結構少ないんですね。全体の1~2割程度でしょうか。では明確な基準は無いけれども取り敢えず副業禁止という感じでしょうか?

会場:やむを得ない事情があれば大丈夫だと思うのですが、業務に差し障りがあると思われているのか基本禁止という感じです。

-- なるほど。パネラーのみなさんは何か副業するにあたって、上司と交渉したりしましたか?

武藤:ウチの会社は許可制でありながら、基本的に全部許可されているので、試しに副業を聞いてみたら「会社の名前を出してくれたらいいよ」と(笑)。

-- 名前を出す事によって講師としての説得力にもなりますし。会社を宣伝できる効果も期待できるという事ですね。みなさんは自社の名前は出されます?

パネラー一同:(うなずく)

石井:弊社のルールとして「副業の内容をオープンにすること」が条件になっています。半年に1回、全社会議のような場を設けて「自分が今どんな副業をしているか」を公開する場があります。コソコソやるのはNGで、全てオープンにした上で本業もフルコミットしている事をアピールする事が是とされています。

-- 今会場からざわめきと「すげー」という声が聞こえてきましたが(笑)、その会はどんな感じなのでしょうか?

石井:本業より稼いでいる人とか居ます(笑)。ポジションが上の人ほど副業で稼いでいます。役員の人が一番副業やってたり(笑)

会場:(笑)

坂井:私もオープンにする事を凄く意識しています。
自分のブログを持っているのですが、オープンに出来るものは極力見せたいので、手伝っている会社名や内容を公開する事を前提にお付き合いさせていただいています。
なので、調査した技術などは基本的にブログに書いていますし、本業にも活かすし、他のエンジニアにレクチャーする場合もあります。
最近「もらっているお金も公開してもいいかな」とも思っています。というのも、副業に対して後ろめたい気持ちは無いし、
副業のせいで成果を出していないと思われたくないので、敢えてオープンにしたいなと。

-- 最近は色んな会社のCTOの方などが他社の技術支援している事をオープンにしていたりしますよね。自社にフィードバックするために他社や業界の情報や動向を知れるとか、ネクストキャリアにも繋がるなどのメリットもありそうですね。
他に質問がある方はいらっしゃいますか?

質問者:お話を聞いていて、お金のために仕事をしていないような印象を受けたのですが、私としては、お金も大事だと思っています。
先程、非IT関係の会社と関係があるという話があったのですが、ITの単価って結構高いですよね?
その単価相場の認識にギャップが出てくると思うのですが、どう調整していますか?

高野:お客さんの費用感に寄せています。
実際にお客さんが出せる金額と、こちらが実現できるギリギリを責めるイメージですね。

-- LTしていただいた高橋さんは、個人で会社もされていますが、その辺の費用感についてはいかがでしょうか?

高橋:私の場合は生活がありますので、最低ラインは確保できるように努力します(笑)。
しかし副業と考えた場合、自由が効く分、あまり金額にこだわらなくても良いかと。ただあまりやると弊社のようにしんどい状況になるかもしれませんが(笑)

-- 先程質問に挙がった単価の認識に関してはいかがでしょうか?

高橋:確かに、業界が違うと認識も違うので、驚くような値段、極端な例で言えば「1人日:5,000円」とかで依頼される場合もあります。
クラウドソーシングなどで調べた上で「それと同じ値段で」と依頼されることもありますね。
もちろん、他業界の方は工数などは分からないので説明しますし、先程のお話にあったように、どのくらい費用を割けるかというのは重要だと思います。予想していた費用を超えてしまったので、案件が流れるというのはよくあることだと思います。

-- 想像していたより提示された金額が高くて驚いた事はありますか?

高橋:無いですね(笑)。自分1人でやっているのもありますが、1~2ヶ月掛かるような規模のものは受けておらず、1~2週間で終わるものが殆どですので。

-- その辺の金額とかの話で質問がある方いらっしゃいますか?盛り上がりそうな内容だなと思いまして。

質問者:確定申告について質問があるのですが、副業の収益などを整理する場合、税理士さんなどを雇っていますか?それとも自分でやっていますか?

全員:自分でやっています。

-- どれだけ稼いでいるかの金額にもよりそうですよね。時間が無くなってきたので、最後に私からの質問させてください。
今の時代的に、本業をやっている方ですら、自分の将来を予想する事が難しい時代になっていると思われますが、
副業している事がリスクヘッジになっている実感というものはありますか?

坂井:収入でいえば、本業の方が圧倒的に稼ぎは多くて、副業だけでは生活できないのが現状です。しかしながら、ありがたいことに副業している3社から「正式にスタッフにならないか」とオファーを頂けたり、登壇して名前を出しているお陰で色んな企業からオファーを頂ける事もあるので、リスクヘッジにも繋がっているし、キャリアやスキルにも繋がる可能性があると思いますね。

武藤:まだ社会に出て浅いのでリスクヘッジという言葉にピンときませんが、専門学校の講師という経験が一度あれば他の講師職にも就きやすいらしいので、引き受けて良かったなとは思います。

石井:私はリスクヘッジも転職する気も無いのですが、自分の会社があるので今の仕事をいつ辞めても大丈夫かなと思っています。
ですので、気持ち的には非常に楽ですね。

-- なるほど。最後に今日のディスカッションを経て、今日集まって頂いた参加者の方々へ何か一つアドバイスをいただけますでしょうか?

高野:私は長い間ITに従事していますが、副業を通して様々な業種の方と知り合うと、「世の中には自分の知らない事が沢山あるなあ」としみじみ思いますね。ITビジネスも大きく考えれば、沢山あるビジネスの中の一つなのだと思います。
ですので、何かアドバイスするとすれば、ITビジネスを頑張るのもいいけど、副業に限らず外の環境に触れる機会に飛び込んでみれば、知識に限らず、身をもって何かを学ぶいい機会になるのではと思います。

石井:副業するときに労働集約型的な働き方をすると、副業していて非常に辛くなるのでは、と思います。
例えば、プラグラマーがプログラミングを請け負うとかですね。やるとしても時給制などで負担を軽くし、あまりリスクの無い働き方をする方がいいと思います。

坂井:ここに来られている方は皆さん意識が高くてスキルも高いと思うのですが、それ故に悩む事もあると思っていて・・・。
そこで提案なんですが、取り敢えず明日開業届けを出しに行くというのはどうでしょうか?
実はサラリーマンが開業してもあまりリスクが無くて、失業保険が受け取れないくらいなのですが、ここに来られている方は失業しても困らない方だと思うんですね。取り敢えず開業してみて、何か一個やってみて欲しいなと。
実は私も半年くらい悩んで、色々調べた時期があったんですが、結局「やってみないと分からない」という結論に着地したんです。
ダメだったら翌年に廃業すればいいと。取り敢えず何か動き出してみる事をお勧めします。

-- 本日は貴重なご意見、ありがとうございました。